【図柄など解説】
18〜19世紀に貴婦人の間で流行した※【シャトレーン】の先端にぶら下げる為にバチカンがつけられた
本物の胡桃(くるみ)の殻を利用したケースにディゼンヌ(一連ロザリオ)のブレスレットをセットにしたロザリオとロザリオケースのセットです。
※18〜19世紀頃にシャトレーン(高貴な女主人、という意味)と呼ばれる、身の回り品をジャラジャラと腰ベルトにぶら下げて携帯する為にチェーンやフックなどが繋がれた装身具を帯につけるのが流行しました。
ぶら下げる身の回り品は主にパウダーケース、裁縫道具、ダンスカードブック、ヴィネグレット、その他様々なアイテムがありますが
小さなミニチュアの道具類は実際に使うには小さすぎたりして使い勝手が悪かったりと実用には向きませんでした。
実用品というよりも(機能も備えた高級装飾品)として
持ち歩いて見せびらかして自慢する、いわゆる当時のご婦人達のマウントアイテム、ドヤアイテムです。
そもそもこの時代の富裕層の貴婦人は服も召使に着せて貰ったり、もちろん家事などもしませんので(裁縫や手芸などは嗜みとして)裁縫道具など持ち歩いてもそれを実際に使う場面など発生するはずもない訳です。
ただ、実際に実用的アイテムと呼べるのも幾つかあり、例えばヴィネグレット(※当時の女性はキツく締めたコルセットのせいで時折気を失ったりしていました、それで気つけ薬的なアイテムとしてお酢や塩を持ち歩く為の専用の瓶や容器がありました)や携帯塩入れ、あとは実際に香水を入れて持ち歩く為の香水瓶、おしろいを入れるプードリエールくらいでしょう。
後は実用するには現実的でないアイテム、が結構あります。
(何もまともに切れないミニハサミなど)
日本にも腰帯にぶら下げて見せ付けて自慢してドヤる為のコレクションアイテム、根付というものがありましたが
シャトレーンにぶら下げるこれらは、まさに「西洋の根付」といえるでしょう。
こちらの胡桃ケースもその一つで、19世紀に上流階級の貴婦人の間で胡桃の殻を利用した裁縫道具ケースや香水瓶ケースが流行しました。(シャトレーン流行の時代と同時期〜)
(※その後には胡桃の殻の形をリアルに表現したシルバー製のケースが誕生、流行しました)
本物の胡桃殻使用ケースのなかでも有名なのは裁縫セットで、内側にベルベッド敷きの土台が嵌め込まれ、シルバー製の小さなハサミや指貫、針などが
収められたとても贅沢なものがあります。
非常に高額で、凝った作りのもの、ため息が出るほど美しい意匠のものなどは目玉が飛び出るような価格で取引されています。
今回の品も同じ時代の品でとても希少です。
中にミニロザリオが収められていましたがこちらは元々のオリジナルではなく安っぽい樹脂製の
珠の割と現行品に近いものでしたので(恐らく元の持ち主がこのケースに入れたのでしょう)
折角なので胡桃ケースと同じくらいの時代の1900年代初頭のアンティークのディゼンヌ(1連ロザリオ)をブレスレット仕立てにしてケースに収めてセットにしました。
チェーンとパーツは全てシルバー製で、メダイは当店ストックのシルバー製の美しい透かしの聖母メダイをおつけしました。
中央には無原罪の聖母の姿、ここだけ表面にゴールドの圧メッキが施されています。
(少し磨耗で剥がれています)
バチカンが通る部分のわっか部分にシルバー製を意味する打刻がされています。
アンティークの額縁のような秀逸な透かしデザインがとても素敵です。
チェーン、メダイ、9ピン全てシルバー製ですが、アンティークロザリオをブレス仕立てにする際に
後付けしたカニカン(フック)と、それを引っ掛ける為のCカンだけ、合金製です。
それ以外は全てシルバーです。
【素材】
ケース 胡桃殻(本物)、真鍮 ディゼンヌ(1連ロザリオ)のブレスレット シルバー、(カニカンとCカンだけ合金製)
【重量】
ケースとロザリオ合わせて 17.5g
【サイズ】
ケース 41/30mm ディゼンヌ メダイ含む全長23.5cm
【備考】
*アンティーク、ヴィンテージ、中古品は経年変化による変色、汚れ、染み、傷、歪み、破損等あることがございます。画像をよくご覧頂き、ご判断、ご納得の上でのご購入をお願い致します。