【図柄など解説】
ブロワ城の主、フランス王フランソワ1世（王冠とサラマンダーの紋章）の妃、クロード・ド・フランスの紋章、矢の刺さった白鳥をモチーフにした
1900年代前半〜のマッチケースです。
ブロワ城主4紋章のうちのひとつ、クロード・ド・フランスの紋章、矢白鳥のマッチケースというレアアイテムで私も初見です。
マッチケースというとヴェスタケースが有名ですが
（当店でも沢山扱ってきました）こちらはその時代より後のものです。中に古いマッチが仕込んでありますがこの手の使い捨てマッチをそのまま収納する為のアイテムです。ケースの状態はとても良好、目だった傷や凹み等なくとても綺麗です。
ボタンの部分にブルーサファイヤを思わせるカボションの青ガラスが嵌められています。
バチンと気持ちよく閉じます。
ラバルムではブロワ城関連の王、王妃たち4人の紋章がモチーフとなったアンティークを沢山扱ってきました。
http://labarum.ocnk.net/product-list?keyword=%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%A5&Submit=%E6%A4%9C%E7%B4%A2
ルイ12世（紋章・王冠とヤマアラシ）とアンヌ・ド・ブルターニュ（紋章・王冠とエルミーヌ（オコジョ）当店紋章もので一番人気）の間に生まれたプリンセスが、クロード・ド・フランス（紋章・王冠と矢が刺さった白鳥）
その夫のフランソワ1世（王冠とサラマンダー）、ブロワ城にはこの4つの紋章が掲げられています。
このブロワ城の4人の主、妃達に関わる紋章で一番レアで入手困難なのがこのクロードの白鳥で、
困難度は クロード紋章（白鳥）＞＞＞父ルイ12世紋章（ヤマアラシ）＞越えられない壁＞クロード夫フランソワ1世紋章＞クロードの母アンヌ・ド・ブルターニュ紋章（エルミーヌ）という順です。
見付かるのは本当に奇跡、位になかなか見付からないので、市場に出てきた時は多少高くても買い付けます。（よって同じブロワ城絡みのアイテムの中でひときわ高額になりがちです。
クロードのこのある意味不吉な、矢が刺さった白鳥というとても哀れで痛々しい、むしろ縁起の悪いようなモチーフなのは
彼女の苦渋に満ちた苦難の人生を象徴し後年にクロードに捧げられたものではないかという説があります。
そもそも王家の人間に対して、この様な（矢が刺さった白鳥）というマイナスイメージしかない印象の紋章を制定して本人が納得して使用してたとは思えず、
かつ
ブロワ城やその他の居城に残っている装飾でよく見られるのが、婿王である夫のフランソワ一世の紋章のサラマンダーの横に、ブルターニュ女公アンヌ・ド・ブルターニュの紋章とされるエルミーヌ（オコジョ）が並んでいること、
よく考えたら不自然な組み合わせです。
ルイ12世の紋章ヤマアラシの横にルイ12世妃でありブルターニュ女公のアンヌ・ド・ブルターニュの紋章のエルミーヌが並んでるのは分かります、よくある組み合わせですが
その2人の娘の王女クロードの、いわば婿に入ったフランソワ1世の紋章サラマンダーと、姑の立場であるアンヌの紋章エルミーヌが同列に並ぶというのは
どう考えても不自然です。
となると、可能性として考えられるのは、クロードは生前は公式な紋章として、母の（ブルターニュ女公の紋章のエルミーヌ（オコジョ）を受け継いでいたのではないでしょうか。となると、夫のフランソワ1世紋章サラマンダーと、その横に（母から受け継いだブルターニュ女公紋章のエルミーヌ）が並んでいてもおかしくありません。
そして、アンティークのアイテムも、その組み合わせを多く見かけます。
矢白鳥のアイテムだけ、突出してレアなのも、その辺の事情があるのかも、と考えると当然の帰結と思えます。
【素材】
真鍮製にシルバーメッキ チェーン本体
【重量】
36.8g
【サイズ】
64/52mm
【備考】
＊アンティーク、ヴィンテージ、中古品は経年変化による変色、汚れ、染み、傷、歪み、破損等あることがございます。画像をよくご覧頂き、ご判断、ご納得の上でのご購入をお願い致します。
