【図柄など解説】
1900年代初頭のマッチケースです。別名ヴェスタケース。ブルターニュの紋章とエルミーヌ・プランの意匠です。(説明は下記)
ヴェスタという短いろう製のマッチを収納する小さな携帯用ケースで、1800年代前半以降、爆発的な喫煙ブームと共に
屋外にマッチを持ち出せるように実に様々な素材や形状のものが作られるようになりました。(1890年から1920年にかけて、幅広く生産されました。)
多くのヴェスタケースは当時のヴェスタ(現代のマッチより短め)が収まるように作られています。
本体は真鍮製で表面にシルバーメッキが施されています。経年によりシルバー独特の黒ずみ(硫化)でいい色合いになっています。
所々シルバーメッキが磨耗して地金の真鍮が見え隠れしています。
ケース本体前面には着火するための擦る部分があります。
ケースとしての機能は全く問題なし、開閉も問題なく、かなり固くしっかりとばちんと閉じます。バネ性が利いていて開く時に力を入れて開け、手を離すと
バチンと強く閉じるタイプです。
カバンの中で自然に開いてしまうような事もありませんので
フリスクケースやピルケースなどにも安心して代用していただけます。
ブルターニュ※1の紋章※2が中央に、そして脇上下に二つのエルミーヌ・プラン※3が配置されたデザイン。
※1 BRETAGNE ブルターニュ ブルターニュ (フランス語: Bretagne)は、フランス北西部にある地域。
かつてはブルターニュ王国、そしてブルターニュ公国という独立国だったが、1532年にフランスに併合され州となった。ブルターニュは6つあるケルト国の1つとみなされている
時には、現在のブルターニュ地域圏と区別する目的で「歴史的なブルターニュ」(Bretagne historique、ブルターニュ・イストリック)と呼ばれることもある。
※2 フランス王ルイ12世王妃アンヌ・ド・ブルターニュのエルミーヌ(白オコジョ)でおなじみ、エルミーヌが両脇でブルターニュ紋章(エルミーヌ・ブラン)盾を支えている意匠です。
エルミーヌ、またはオコジョは、庶民の伝承によると、アンヌ・ド・ブルターニュが自らの宮廷を引き連れ狩猟に出かけたとき、汚い湿原を横切るよりも死を選ぶという白いオコジョを見つけた。
このエピソードは、女公アンヌのモットー"Potius mori quam foedari"(不名誉よりも死を)にインスピレーションを与えたとされる
アンヌ・ド・ブルターニュ (Anne de Bretagne、ブルトン語:Anna Breizh、1477年1月25日 - 1514年1月9日)は、
ブルターニュ女公(在位:1488年 - 1514年)。フランソワ2世と2度目の妃マルグリット・ド・フォワの子。また、シャルル8世、ルイ12世の2代のフランス王の王妃でもあった。
(参考画像はナントの旧市街中心部にあるブルターニュ公爵城の壁に施された紋章)
※3エルミーヌ=アーミン(英: Ermine、古仏: 仏: Hermine)は、紋章学においてオコジョ(シロテン)の毛皮を表すティンクチャー。(画像参照)
全体に点在した、すそ広がりのクロスのような形状はブルターニュの紋章のこの(エルミーヌ・プラン)
【素材】
真鍮 シルバーメッキ
【重量】
33g
【サイズ】
47/35/厚13mm
【備考】
*アンティーク、ヴィンテージ、中古品は経年変化による変色、汚れ、染み、傷、破損等ございます。画像をよくご覧頂き、ご判断、ご納得の上でのご購入をお願い致します。