【図柄など解説】
1700年代から多くは1800年代、19世紀末に特に多く作られた、フィリグリー(銀線細工)製のドイツロザリオ,真正のフィリグリー製ロザリオです。
19世紀半ばー19世紀末の品です。(ドイツアンティーク聖品カタログに類似品掲載されています(画像参照)
フィリグリーとはジュエリーの技法のひとつで細いシルバー(あるいは他金属)の線を手で一つ一つ曲げたり巻いたりしたものを枠に丁寧にロー付け(溶接)していくことで、大変手間と時間が掛かります。
すべての工程が熟練工による手作業で、この技法も現代では後継者が少なくなっている為、廃れてきています。
技術的に修理が困難で、一度歪んでしまったり潰れてしまったものは、元の姿に戻すことが難しく、多くのアンティークフィリグリー製品はそのデリケートさ故良い状態で保存されていたものが少なく、損傷が激しいものが多いですがこちらとても良い状態で現代まで残りました。
素材はおそらくジャーマンシルバー(洋白)にシルバーメッキ(表面の黒ずみはシルバー独特の硫化)シルバーの刻印等が見られないのでシルバー、という確証はなく、ただドイツもイタリアも、古いアンティークシルバーに刻印が無い品も珍しく無いので(特にイタリア、ドイツは金銀の刻印に関してはフランス、イギリスに比べるとかなり後進国です)(ドイツで統一された刻印が制定されたのは1886年です)
かなり黄色味が強くなっていますがこれはシルバー独特の硫化(黒ずみ)で、シルバーの変色は条件によってカラス色ではなく黄色、茶色が強く変化する場合があります。
フィリグリーの状態は、先にご紹介した総フィリグリーロザリオに比べると損傷、欠損が殆ど無くとても良い状態です。(クレドクロスに一部にやや銀線欠損)枠の作りが少々太く、甘いです。(クロス)クレドクロス、フィリグリー大玉は非常に細やかな作りで、クレドクロスと大玉は枠の太さ、フィリグリーの詰まり方が似ているのでセットだという事が分かりますが、比較すると先端の聖遺物クロスだけややフィリグリーの感じ、特に枠(縁)の太さや仕上がりがそれらと違うので、もしかしたら先端のクロスだけ後年付け替えられたのかもしれません。
*クレドクロスとは 先端のクロスの、すぐ上のクロスはCredoKreuz、イタリア語訳するとCredo croce
Credo(信じる)Croce(十字架)信念の十字架、信条のクロス、とかそういった意味合いと思われます。イタリアのロザリオには使われず、ドイツロザリオ特有の第二クロスです。
大きな珠も小さな珠も同様の製法で作られています。
センターメダイが無いのもこの手のドイツロザリオの特徴です。
そして本体に対して異様に紐が長いのは、これもまた古いドイツロザリオに時々見られる特徴です。理由は分かりませんがお祈り中に手繰りやすく?あくまでも憶測ですが。
そしてアンティークドイツロザリオの特徴、六連のロザリオです(通常のロザリオは5連です)
聖遺物の部分の両面に陶器のクロスが嵌め込まれていますが、表、裏ともにヒビと、裏面は上部アームにやや目立つ割れ欠けがあります。
この陶器部分の中に聖遺物が埋め込まれています。(どなたの聖遺物なのかは不明)
購入時のオリジナルの状態はウッドビーズが使用されておりました。珠の大きさや種類もバラバラで何よりフィリグリーの大玉と、先端のクロスの雰囲気に全く似合ってませんでしたので、取り外して日本で購入した淡水パール(ブラック系染色)で編み直しました。珠と珠の間のパーツはオリジナルにそのまま使われていたものです。
【素材】
シルバーまたは合金にシルバーメッキ、聖遺物が固められたもの、陶器、糸、淡水パール(ブラック系染色)
【重量】
85.2g
【サイズ】
全長51cm クロスサイズ71;45mm クレドクロスサイズ27;27mm
フィリグリー珠サイズφ17mm 淡水パール(ブラック染色)
8-11mm×6-7mm
【備考】
*アンティークですので、経年変化による変色、汚れ、染み、傷、破損等ございます。画像をよくご覧頂き、ご判断、ご納得の上でのご購入をお願い致します。
い致します。
*希少品につき個数割引対象外です。