【図柄など解説】
1800年代のスペイン地方の聖遺物入れ仕様のキリスト磔刑十字架です。
カラバカクロスの応用編、のような特殊なデザインをしています。
※カラバカクロスとは
カラバカクロスは、スペイン南東部カラバカ・デ・ラ・クルスという町に伝わる伝説の十字架です。
13世紀、カラバカの町はムーア人の侵略に脅かされていました。
2人のテンプル騎士が礼拝堂で祈っていたある日、2人の天使が天より現れ空からこの十字架を運び降ろしたという言い伝えがあり、その十字架がカラバカクロスと呼ばれ
後世まで語り継がれ、カラバカの街を守る力を持つ十字架、災いを払い幸運を呼び寄せる十字架として人々の信仰の対象となりました。
この十字架にはキリストが磔刑にされた際に使用された十字架の一部が納められているとも信じられています。
カラバカ十字架で小さなペンダントタイプのものは高位の教会役人が身につけていたとされています。
スペインのジュエリーショップでは金製や銀製のカラバカクロスペンダントが多く見られます。

オーソドックスなカラバカクロスは十字架の両サイド（イエスキリストの足下）に天使がついていますが
こちらはちょっとデザインが違っており、天使が両サイドについていない代わりに、
十字架アーム先端にケルビム（智天使）（智天使が頭に直接羽が生えている幼子の姿で描かれるようになったのはルネサンス期以降）が配置されています。
聖母面は
カラバカクロスの要素、下弦の月に乗り祈る聖母の立ち姿（足元の謎の生物に意味はわかりません）
イエス・キリスト面は足元に下弦の月の上の聖母、更に足元にはキリスト磔刑十字架あるあるのゴルゴダの丘の象徴の髑髏（ゴルゴダの丘は、新約聖書に登場する、イエス・キリストが十字架に磔にされたとされるエルサレムの丘のことです。アラム語で「されこうべ」を意味する「ゴルゴタ」とも呼ばれます。この丘は、イエスを処刑するために選ばれた場所であり、キリスト教徒にとって重要な場所です。）
スライドして開けるようになっているのは元々この手の十字架は中に聖遺物（聖人の身につけていた衣服の切れ端など）を納める為ですが、こちらは残念ながら中身は残っていません。
真鍮製でずっしりと重く、ちょっとした鈍器です。
経年で摩耗や真鍮ならではの緑青が出ていてよりアンティークならではの良き雰囲気が出ています。

【素材】
　真鍮
【重量】
　239g
【サイズ】
　183：82mm

【備考】
＊アンティーク、ヴィンテージ、中古品は経年変化による変色、汚れ、染み、傷、破損等ございます。画像をよくご覧頂き、ご判断、ご納得の上でのご購入をお願い致します。