【図柄・刻印・その他解説】
聖ジョルジョ(ゲオルギウス)のメダイです。
*聖ジョルジョはイングランド、グルジアやモスクワの守護聖人。ドラゴン退治の伝説で有名で、西方では十四救難聖人の一人に数えられ、兵士・兵器工・旅行者・農民の守護聖人とされています。*
表面は鎧で武装した馬上の聖ジョルジョが、人々を困らせるドラゴンを勇敢にも退治する場面です。
裏面はマルコ福音書四章三五 四一節にある「イエス突風を鎮める」ガリラヤ湖上で船に乗ったイエスと弟子たちを襲った突風、激しい嵐にベテランの漁師だった弟子たちまで恐れおののく中
イエスが風と波を叱責、途端に風がやみ凪になった、という場面が描かれてます。
表面には「聖ジョルジョ、守護聖人」裏面に「安全を守る(祈願)災害(タイミングの悪さ、悪天候など)」ラテン語にて記述されています。
この表面聖ゲオルギウス、裏面嵐の場面のメダイはゲオルクス・ターラー(独)と呼ばれるものです。
*ゲオルクス・ターラー
1521年マンスフェルト伯爵が鋳造させた銀貨が起源で当初は表面が伯爵家の守護者である聖ゲオルク(ゲオルギウス)の騎乗姿、裏面は伯爵家の紋章で
騎士の守護聖ゲオルギウスの柄の銀貨は兵士、騎士のお守り、弾除けとして人気を博しました。
17世紀終わりに今度は裏面の紋章柄を(イエス突風を鎮める)嵐の中の船上のイエスと弟子たちの図柄をハンガリーの職人が考案、製造をはじめて更に人気のお守りとなり
裏面の場面(イエス嵐を鎮める)にかけて今度は船乗りたちのお守り、航海の無事を祈るお守りとしても人気のメダイとなりました。
ドイツのこの古くから愛されているお守りを日本で表舞台に立たせたのは、「ベルサイユの薔薇」で有名な池田理代子さんの代表作のひとつ、「オルフェウスの窓」。
第一次世界大戦前後のドイツ、ロシアが舞台となっている壮大な悲劇、悲恋の物語ですがそこで、主人公の母親が若かりし頃、伝説のオルフェウスの窓の下で
結ばれてはいけないはずの男性と運命的な出会いをし、以来2人がお守りとして持つことになったゲオルクスターラー。
池田理代子ファン、宝塚ファン(ベルバラもオルフェウスも上演されています)にとっても、印象的なアイテムなのではないでしょうか。>ゲオルクス・ターラー
本品は元はバチカン付きのメダイだったものをコイン状にバチカン部分を削ったもののようです(削り跡があります)
こちらの品は非常に細やかな彫りで表面も裏面も見事な表現です。大きく場面が大きいだけに、その分細部まで非常に細かく彫りこまれています。
経年で表面のシルバーメッキが黒ずんでおり(硫化)、いかにもアンティーク、いい雰囲気、色合いになっています。
ゲオルクスターラー、聖ジョルジョ(ゲオルギウス)の絵柄のメダイ、コインはとても人気で高額で取引されています。
構図と場面は類似していますがテイストが違うなど、ひとつひとつのゲオルギウスメダイはそれぞれに違いがあり、コレクションにピッタリの面白いメダイのひとつでもあります。
この機会是非お見逃しなく。
【素材】
合金 シルバーメッキ
【重量】
15.2g
【サイズ】
φ36mm
【備考】
*アンティークですので、経年変化による変色、汚れ、染み、傷、歪み、破損等あることがございます。画像をよくご覧頂き、ご判断、ご納得の上でのご購入をお願い致します。