【図柄など解説】
シルバー925製のパーツが使用された超精密ミニチュアです。
イタリアではシルバー製の食器、調度品、額縁、置物、ジュエリー等、シルバー製品のみを扱うArgenteria（アルジェンテリーア、アルジェントはシルバーの意）という
ジャンルの店がいたるところにあります。
シルバー製品はとてもイタリア人（欧州人）に愛されており、また折々の機会にギフトとしてシルバー製品を送る風習が昔からあるため、単なる趣味嗜好を超えた、
もはや必需品でもあります。
本品はそのようなシルバー製品天国イタリアはアレッツオで作られた置物のひとつで、とても精巧に作られています。
元々イタリアはアレッツオやヴェネツイアなど、日本でいう山梨県甲府市のような、彫金工房や工場が多く集まった地域がいくつかあり、
特にアレッツオにある数々のジュエリーメーカーのなかでも有名なUNOAERREウノアエッレはジュエリーに興味がある人なら一度は耳にした事があると思います。
このウノアエッレはジュエリーの他にもシルバー製のミニチュアなども作っています。
そこで彫金師、職人として素晴らしい作品と作り続けたジャンフランコ・サッケッティー氏が独立し1977年に自身の名を冠した「Sacchetti」
コレクタブルシルバーオブジェのブランドを創業しました。
超精密なコレクタブルシルバーのオブジェ、といえば当店でも度々ご紹介しているMedusaOroメデューサオロという老舗メーカーか、このSacchettiか、という位
この2ブランドがレベルの高い作品で有名、今も素晴らしい作品を作り続けています。
イタリアにおけるシルバーミニチュア界では泣く子も黙るSacchettiサッケッティー／Medusa Oroメデューサオロ　と言っても過言ではありません。
今回の品はバイオリンとバイオリンケースのセット。
バイオリンのボディにはブライヤーという木材の一種で、現在のパイプの素材として主流になっているものが使われています。
＊ブライヤーとは地中海沿岸に自生するツツジ科の樹木の根瘤の部分を加工した物で、19世紀後半に地中海沿岸でパイプの素材としてはじめて用いられたと言われています。
熱に強く独特の木理が美しく、加工性も高いためパイプに適した素材として利用されてきました。
ネックやスクロール、ペグ、テールピース、あご当て。これらは全てシルバー800製です。ボディ裏面にサッケッティ氏の作品である事を証明するブランドネーム入りシルバープレートがセットされています。
ネック裏面下部には業者番号318、AR(AREZZOの略）、800はシルバーの品位800を表しています。
弦は4本揃っており（テグス）ヴァイオリンの本物を実際に手にした人なら驚愕するレベル、かなり細かなディテールまで凝っています。
揃いの弓もシルバー800製で弓先に品位刻印800、毛の部分は白のゴム紐です。
バイオリンケースの外側はマットな質感の木製（軽めの材質）で金属部分は全てシルバー800、持ち手の部分に業者番号318、AR(AREZZOの略）、シルバーの品位800の刻印が打たれています。
内側に赤色のベロアに似せた質感の素材（樹脂系）が使われています。ケースの蝶番は閉じますが持ち手側から見て右側の閉じ具がやや浮きがちになります。
ケースの蓋がややずれています。ケースの先細り側を奥に、先太り側を手前にセットした状態で見ると、蓋がやや左寄り（持ち手のある方）になっています。手前から見て右側の蝶番上部分がやや前面に押し出す感じに
なってしまっている為と思われます。直せそうですが壊すと怖いので気にならなければそのままにしておく方がいいと思います。
ケースのこの蓋の微妙なズレ意外は、傷や凹み、欠損等なく、状態は素晴らしく良いです。バイオリンのボディ表面右上に若干凹みがありますがそれ以外は特筆すべき問題点無しです。
店主はバイオリンを昔習っておりましたので楽器の中でもバイオリンは実際実物を所有しておりましたし、多少は詳しいつもりです。経験者の視点から見ても、
数々の細かな表現や拘りは素晴らしく、作家の執念すら感じさせられます。

【素材】
　シルバー800　木材（ブライヤー）　その他木材　　テグス　ゴム紐
【重量】
　バイオリン；15,8g　弓；2,6g　ケース；43,2g
【サイズ】
　バイオリン；9.1；3.2cm　弓；10.7；0.7cm　ケース；13.1；5.9cm

【備考】　
＊アンティークですので、経年変化による変色、汚れ、染み、傷、歪み、破損等あることがございます。画像をよくご覧頂き、ご判断、ご納得の上でのご購入をお願い致します。
＊希少品につき個数割引対象外です。