【図柄など解説】
1981年にユネスコ世界遺産に登録されたアミアンにあるノートルダム大聖堂(略してアミアン大聖堂)
1288年に完成した古典的ゴシック様式建築の大聖堂で、エルサレムから持ち帰られた聖遺物、イエスに洗礼を施したバプテスマのヨハネの遺骨が納められています。
聖堂内部の彫刻群像が見所となっており、大聖堂の二人の守護聖人の物語が壮大な石彫刻郡になって、一方は初代司教フィルマン、もう片方には洗礼者ヨハネの生涯が描かれています。
そのうちのひとつにこの嘆きの天使があります。
17世紀の司教座聖堂参事会員 Guilain Lucas の墓碑の上の彫刻郡中央下にある『嘆きの天使(あるいはすすり泣きの天使)』
髑髏に頬杖をついてすすり泣く天使像は現地でもポストカードやグッズが売られているほど有名です。
この像はNicolas Blasset(アミアン出身の彫刻家1600-1659)が手がけた作品です。
キリスト教で髑髏といえばMementomoriメメントモリ
ラテン語で「自分が(いつか)必ず死ぬことを忘れるな」という意味の警句で「死を想え」多くはこう訳されます。
どれほどこの世で栄華を極めようと死は平等に万人に訪れる。死を思うことで富や地位を得て傲慢や強欲に耽る我が身を戒める、罪を避けようとする意味合いがあります。
往々にして可愛らしい姿、表情で描かれる事の多い子供の天使が、髑髏の傍らで頬杖をついて苦悩の表情を見せている、これだけでもこの作品に込められた意味はいかに深いものであるか、
考えさせられます。
嘆きの天使のメダイは欧州コレクターの間でも高額で取引され、なかなか入手することができないメダイのひとつです。
周りには 1628(司教座聖堂参事会員 Guilain Lucasの没年)D'APRES N. BLASSET D'AMIENS(アミアンの二コラ・ブラセにより)GAUDIN & DUBRAY (メダイ工房)
裏面にはアミアンの大聖堂のファサードの絵柄と、フランス語でアミアンの記念、と記述があります。
合金製の表面にシルバー鍍金、経年によりシルバー独特の黒ずみ(硫化)で良い色合いになっています。
天使と髑髏の彫りがおそろしく細かく、非常に奥行きを感じさせる素晴らしいレリーフです。大切に保管されていたのでしょうか、磨耗が殆ど無くかなり表情がはっきりと残っています。
裏の大聖堂の絵柄も細かく、文句のつけようが無いレベルです。
補足;嘆きの天使メダイ 販売状況について
嘆きの天使メダイは、アミアン 天使 メダイ、 で画像検索すると、同業の老舗ショップさんでいくつか販売実績があるようですが、今残ってるのは真正アンティークでなくコピーの現行品で工房名の無い
真鍮製9,800円、シルバー925製15,000円どちらも某有名老舗アンティークショップで販売中、K18製のアンティークで96,000円で別の有名骨董商で取り扱いがあったようです(在庫要確認)
それ以外はどのショップさんでも売り切れになっています。今の所真正アンティークのもので現在販売しているのは当店だけのようです。
【素材】
合金 シルバー鍍金
【重量】
7.8g
【サイズ】
30;25mm(バチカン除く)
【備考】
*アンティークですので、経年変化による変色、汚れ、染み、傷、破損等ございます。画像をよくご覧頂き、ご判断、ご納得の上でのご購入をお願い致します。
*チェーンは撮影小物です。付属品ではございませんのでご注意下さい。
*希少品につき個数割引対象外です。