【図柄など解説】
フランスの国民的英雄、絶大な人気を誇る聖人 ジャンヌダルクの題材のヴェスタケース(マッチケース)です。
19世紀末のもの。
ヴェスタという短いろう製のマッチを収納する小さな携帯用ケースで、1800年代前半以降、爆発的な喫煙ブームと共に
屋外にマッチを持ち出せるように実に様々な素材や形状のものが作られるようになりました。(1890年から1920年にかけて、幅広く生産されました。)
多くのヴェスタケースは当時のヴェスタ(現代のマッチより短め)が収まるように作られているので現代の長めのマッチは収まりません。
(本品も同じく)
ケース本体サイドには着火するための擦る部分があります。
本体は真鍮製で表面にシルバーメッキが施されています。経年によりシルバー独特の黒ずみ(硫化)でいい色合いになっています。
裏面一部変色と磨耗して地金の真鍮が見えています。
可愛らしいクローバー(キリスト教で三位一体の意味をも持ちます)の模様が彫られ、更に中央にはジャンヌダルクのメダイ。
ジャンヌダルクはその人気より非常に沢山のデザイン、種類のメダイやブローチ、文具等その他様々なアイテムが作られています。
*【聖ジャンヌダルク】フランス東部に農夫の娘として生まれた。神の啓示を受けたとしてフランス軍に従軍し、イングランドとの百年戦争で重要な戦いに参戦して勝利を収め後のフランス王シャルル7世の戴冠に貢献した。
その後ジャンヌはブルゴーニュ公国軍の捕虜となり、身代金と引き換えにイングランドへ引き渡された。
イングランドと通じていたボーヴェ司教ピエール・コーションによって「不服従と異端」の疑いで異端審問にかけられ、最終的に異端の判決を受けたジャンヌは、19歳で火刑に処せられてその生涯を閉じた。
*【ジャンヌダルクの列聖】ジャンヌダルクは16世紀にフランスのカトリック同盟の象徴となっていった。1849年にオルレアン大司教に任命されたフェリックス・デュパンルーがジャンヌを大いに賞賛する演説を行った後フランスのみならず
イングランドの耳目も集めた。デュパンルーのジャンヌに対する高い評価と功績の紹介は、1909年4月18日にローマ教皇ピウス10世からのジャンヌの列福となって結実した。
さらに1920年5月6日には、ローマ教皇ベネディクトゥス15世がジャンヌを列聖した。そうしてジャンヌダルクはローマ・カトリック教会におけるもっとも有名な聖人の一人となった。
とても美しく素晴らしい彫りのこのメダイは、ジャン バティスト・エミール・ドロプシ (Jean-Baptiste Emile Dropsy 1848- 1923)
*キリスト教美術の分野において、19世紀後半から1920年代初めのフランスで活躍した最も優れたメダイユ彫刻家のひとり 息子にアンリ・ドロプシ (Henri Dropsy 1885-1969)
右下に銘があります。
エミール・ドロプシ作のメダイは大変人気で、彼の作品をひたすら集めるコレクターもいるほどです。
ケースとしての機能は全く問題なし、開閉も問題なく、かなり固くしっかりとばちんと閉じます。カバンの中で自然に開いてしまうような事もありませんので
フリスクケースやピルケースなどにも安心して代用していただけます。
【素材】
真鍮 シルバーメッキ
【重量】
28.9g
【サイズ】
46;34mm 厚み11mm
【備考】
*アンティークですので、経年変化による変色、汚れ、染み、傷、歪み、破損等あることがございます。画像をよくご覧頂き、ご判断、ご納得の上でのご購入をお願い致します。
*希少品につき個数割引対象外です。