ヨーロッパで実際に使われていたアンティーク・ヴィンテージ聖品です。
永い年月を経て味わいのあるお品となっております。

【図柄など解説】
お惣菜やお菓子などを掴むための中型トングです。
シュガートング、その他トング類はアンティークでもたくさん種類が作られていますが、多くは板をプレス加工して模様や彫りが浮き出しになったものや
単なる板に模様を彫ったりした平べったいタイプが多い中、貴重な鋳造法による立体的なタイプです。
更に透かし細工、フィリグリー技法が使われています。
フィリグリーとはジュエリーの技法のひとつで、細いシルバー（あるいは他金属）の線を手で一つ一つ曲げたり巻いたりしたものを枠に丁寧にロー付け（溶接）していくことで、大変手間と時間が掛かります。
すべての工程が熟練工による手作業で、この技法も現代では後継者が少なくなっている為、廃れてきています。
技術的に修理が困難で、一度歪んでしまったり潰れてしまったものは、元の姿に戻すことが難しく、多くのアンティークフィリグリー製品はそのデリケートさ故良い状態で保存されていたものが少なく、損傷が激しいものが多いのが現実です。
イタリアではFiligranaフィリグラーナと呼ばれ、リグーリア、ヴェネト、アブルッツォ、サルデーニャ島が有名な産地です。
店主はフィリグリーの有名産地リグーリア州における蚤の市を中心に買い付けを行っている為、他の地域に比べて比較的（蚤の市においてフィリグリーと出会える確立）に恵まれているという背景があります。
こちらの品は損傷も少なく、一箇所のみ、フィリグリーの渦が取れてしまった所に、円形の別の板を嵌め込んで溶接（ここだけ浮いてます）して補修した跡がありますが、それ以外は驚くほど状態が良く、しっかり潰れずに残っています。
デザインがまた面白く、トングの先端でよく見られる形状は普通はスプーン型、単なる平べったい板、獣の脚、鳥の脚、などですがこちらはとても珍しい、人間の手です。
オリエンタルなイメージでブレスレットをしている人間の手、爪まで作りこまれて気持ち悪いくらいです。
持ち手部分のフィリグリー仕様だけでも珍しいのに更に先端が人間の手、という珍品で、使われていた当時はお茶の間でも相当話題になったことでしょう。

【素材】
　ブロンズ　シルバー色金属鍍金
【重量】
　58.3g
【サイズ】
　17cm；幅2.8cm；厚み3.4cm

【備考】
＊アンティークですので、経年変化による変色、汚れ、染み、傷、歪み、破損等あることがございます。画像をよくご覧頂き、ご判断、ご納得の上でのご購入をお願い致します。
＊希少品につき割引対象外です。